足に障がいがある人を対象としたスポーツは色々ありますが、車いすフェンシングもその中の1つです。
近々、「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」でも特集されたようですので、パラリンピックでもメダルが期待される種目なだけに、今回ご紹介する記事で、少しでも車いすフェンシングを知ってもらえれば嬉しいです。
見どころ
ピストと呼ばれる装置に固定した競技用の車いすに座り、主に上半身だけで競技をします。
かなり激しい攻防で、少しも目を離せない展開になるので、個人的には非常に見ごたえのあるスポーツだと思っています!
ルールは通常のフェンシングとほぼ同じで、剣で突くと得点になります。
しかし、相手との距離が固定されているため、剣さばきのテクニックやスピードが勝敗を分けるポイントとなります。
競技種目・ルール
男女別で、フルーレ、エペ、サーブルの3種目があります(混合なし。)。
また、各種目とも個人戦、団体戦で競います。
種目間の違いは、使用する剣の違いや突き方、有効面などです。
フルーレ
使用する剣は、全長110cm、剣身90cmで、重量は最大500gの鋼鉄製です。
剣は細く、剣先には500gの強さのバネが入っています。
有効面は胴体(胸部、腹部、背部、喉)を500g以上の強さで突くと、赤もしくは緑のランプが点灯して得点となります。
ちなみに、白いランプが1つでも点灯した場合、その突きは無効です。
エペ
使用する剣は、フルーレと変わりませんが、重量は最大770gとなります。加えて、バネの強さも750gと強くなっています。
有効面は上半身で、先に色ランプが点灯すれば得点となります。
なお、「同時突き」の場合、両選手の色ランプが点灯し、双方の得点となります。
サーブル
使用する剣は、全長105cm、剣身88cmで、重量は最大500gです。
この種目は、「突く」以外に「斬る」動きが追加されるため、剣身は平らな刃です。
有効面は上半身のみで、剣についた小さなセンサーが振動をとらえて、相手を斬ったかどうかを感知し、審判器が判定します。
車いす間の距離調整
固定される車いす間の距離は、腕と剣の長さで決められます。
それぞれの種目で調整方法は異なりますが、エペやサーブルの場合、両選手が正面を向いて車いすに座った状態で、一方の選手が剣を持つ手を相手に真っ直ぐに伸ばします。
剣を向けられた選手は、剣先を上に向けて肘を直角に曲げた状態で、相手選手の剣が、ちょうど自分の肘に届く距離を計測します。
これを双方が行って距離を計測しますが、車いす間の距離は、腕の短い選手の計測した距離に合わせます。
クラス分け
障がいの種類や重さによって、カテゴリーAとカテゴリーBに分けられます。
カテゴリーAの方が、障がいの程度は軽くなります。
カテゴリーが分けられる条件は、足でバランスがとれる、剣を持つ腕に障がいがないなどが主な基準となります。
試合方式
個人戦は予選と決勝で内容が異なりますが、団体戦は予選も団体も同じです。
個人戦(予選プール)
5本を先取するか、3分間でより多くの本数を決めた方の勝ちです。
個人戦(決勝トーナメント)
3分間を3セット行い、15本先取した方の勝ちです。
もしくは、3セット終了時、より多くの本数を決めていた方の勝ちです。
団体戦
カテゴリーBの選手を、1名以上含めた3名でチームを構成しなければなりません。
全員が5本先取制である3分間の試合を3セットずつ行い、最高9セット中に45本先取するか、制限時間時点で得点多いチームの勝利となります。
注目選手(国内ランキング順位)
日本車いすフェンシング協会のHPでは、
2020年10月現在は、2018年7月時点のデータが最新となります。
加納慎太郎(男子1位)
1985年生まれ、福岡県のご出身。
最終学歴は不明ですが、所属ヤフー株式会社です。
父親の影響で剣道を始め、義足になってからも剣道を続けていたそうですが、2020年の東京大会開催決定をきっかけに、フェンシングへ転向したそうです。
安直樹(男子2位)
1977年生まれ、茨城県のご出身。
最終学歴は水戸南高校卒業で、所属は東京メトロです。
元車いすバスケットボール選手で、日本選手権MVPを獲得だけでなく、アテネパラリンピックにも出場、イタリアプロリーグにも加入経験ありだそうです。
藤田道宣(男子3位)
1986年生まれ、熊本県のご出身。
最終学歴は龍谷大学、所属はトレンドマイクロです。
高校から立ちフェンシングで、全国高校総体に出場するほどの実力の持ち主ですが、不運から自暴自棄になっていたところ、車いすフェンシングの道で生きる希望を見出したそうです。
松本美恵子(女子1位)
生年月日は公表されていませんが、ゆかりの地は府中市だそうです。
最終学歴も不明ですが、所属は東京都立多摩総合医療センターです。
詳細な情報は入手できませんでしたが、様々な試合でご活躍されているようです。
2020ハンガリーWC:フルーレ31位、エペ30位
2019世界選手権:フルーレ32位、エペ31位
2019アムステルダムWC:フルーレ24位
2019ワルシャワWC:エペ29位
櫻井杏里(女子2位)
1988年生まれ、京都府のご出身。
最終学歴は国府台女子学院高等部、所属は日阪製作所です。
障がいを負ってからもサーフィンやスキーに挑戦し、その後車いすフェンシングへ。
持ち前の運動神経を活かして、始めて半年でナショナルチームへ参加する逸材のようです。
まとめ
2020パラリンピック東京大会は、2021年に延期となってしまいましたが、車いすフェンシングの見どころやルールは、わかっていただけたと思います。
日本選手のメダル獲得にも期待できる種目ですので、みんなで応援しましょう!
頑張れ!日本!!